ロシュフォールの恋人たち 感想

ついに!やっとこさ!みました。

camille bertault の歌う La femme coupee en morceaux が好きすぎて、みたいと思っていたらラッキーな事にアマゾンで9月まで100円でレンタルできるキャンペーンをしていたのです。

いきなり踊るんでしょ笑 絵が綺麗な女の子好みの映画でしょ笑と侮るなかれ、確かにいきなり踊るし歌うし絵も綺麗だけど、それだけではない映画なのです。

あらすじ

フランス西南部の海辺の街ロシュフォールは、年に一度の海の祭を二日後にひかえて、陽気に浮き立っていた。青く澄んだ空、緑の樹々、白い壁、こんな街では誰もが恋をし、生きる歓びにひたっていても不思議ではなかった。美しい双児の姉妹のソランジュ(F・ドルレアック)とデルフィーヌ(C・ドヌーブ)は希望に燃え、自分の道を歩んでいた。ソランジュは音楽家を、デルフィーヌはバレリーナを志していたが、彼女たちにはもう一つの夢があった。それはいつの日にか、素晴らしい恋人にめぐり逢うことだった。また姉妹の母親イボンヌ(D・ダリュー)はカフェーの女主人で、彼女の気さくな人柄は大勢の客をすぐ馴染ませてしまうのだった。常連の中には、祭の見本市でオートバイの曲乗りを見せるというエチアンヌ(G・チャキリス)とビルの二人組や、絵の好きな水兵のマクザンス(J・ペラン)がいた。お祭の日がやってきた。広場にはたくさんの舞台が組立てられ、趣向をこらしたショウが次々にくりひろげられた。ソランジュとデルフィーヌの姉妹も、エチアンヌ、ビルの二人組と一緒に舞台に立ち、オートバイの曲乗りのあとで、歌と踊りを披露した。エチアンヌとビルは、これからも一緒に仕事をして歩けばパリにも行かれると、姉妹を誘った。彼女らはパリへ行って大芸術家になろう。また恋人にめぐりあえるかもしれないと心を決めた。だが青い鳥はすぐ近くにいるもので、ソランジュは以前、通りで見かけた魅力的な青年アンディ(G・ケリー)に再会出来た。イボンヌも十年ごしの恋人で楽器店を経営するダーム氏(M・ピッコリ)と結ばれた。デルフィーヌは幸福そうなソランジュたちと別れ、エチアンヌやビルと一緒にパリへ向った。

感想

ロシュフォールの恋人たちというわけなので、複数のカップルが出てきて、それがうまくいかなかったり、再会したり、最後まで会えなかったり、、、これがただの恋物語で終わらずに、ママの失恋からの復活愛やバラバラ殺人事件を挟む事で、一見、今幸せな恋人たちも、数十年後にはどうなっているかわからない、というふうに思わせる現実感というか人生の連続性を感じさせるところがとても良いと思いました。

初恋の威力

こないだ、ツイッターか何かで「初恋とは、初めての相互理解への敗北で、その挫折が心に住み着く」と言っている人がいて、なるほどなあと思いました。その相互理解の欠如ってのが本当クソみたいな理由であればあるほど、後悔が募る。  

この映画の中では「お金を持っているだけ」「青い目じゃない」「マダムダムになりたくなかった。。」など様々なクソみたいな理由で別れる(た)恋人たちが出てきて、きっと彼女らは次の相手と付き合って、何か嫌な事があった時にきっと別れた人たちの事を思い出すんだろうな〜と思わせるところがよかったです。

もし例えばデルフィーヌがマクサンスとパリで出会い、でもマクサンスがアル中金食い虫の芸術家崩れになって、デルフィーヌが娼婦にでもなった日にはギョームの事思い出すんだろうな。。逆に二人が幸せになりすぎたらギョームがバラバラ殺人事件犯になりそうだし、このどこかに不幸の影があるところがよき。

バラバラ殺人事件

裏テーマだと勝手に思っているバラバラ殺人事件!ここの歌が本当にいいんだな〜 セリフが歌になっているのだけれど、物騒な事を本当に綺麗な旋律に乗せていて、フランス語ってはなす時も調子が付いている言語だから、ミュージカルと調子があっていてとても好きなんです

バラバラ殺人事件はデュミ監督の昔の作品のRolaという作品のヒロインのRolaがその映画の中では幸せになったものの、40年の時を経て殺されてしまうという。。ちなみにローラでローラに振られた男はシェルブールの雨傘でヒロインを金の力で奪う男になっているらしい。。誰かの恋の被害者が誰かの恋の加害者になるっていうのが現実的で好き!

Rolaを見ていないので、確かな事は言えないのですが、デュトルさんはなんで40年も経ってローラを殺しちゃったのでしょうか??勝手な想像なのですが、デュトルさんは双子ママの失恋後悔話を聞く→もしかして相手も後悔しているかも、、と思いその後、画廊でマクサンスの憧れの女性の絵を見て、ローラの事を再び強く思い出してしまい、探してみる→アメリカにいるはずだったのに探してみたら案外近くにいて、運命だと思って復縁を求めたらあっけなく振られる→凶行に走ったのかなと思いました。

双子の母親の恋はずっと思っていたら叶う!という目立つ幻想をブチのめしてくれるのが黒くてとっても良い。その新聞をみて過去の恋愛に拘っている母親が戸惑っているのも良い。

モブだって主人公

最後にこの話ではずっとただのウェイトレス、モブであったジョゼットがパリに行くところがもう本当に良い。ジョゼットはこの話の中で何もしていないけれども、マクサンスや二人組と何度も関わりがあるし、もしかしたらマクサンスか二人組の片方を好きで追いかけるためにパリに行くのかもしれない。誰もが物語の主人公で、だけど主人公のデルフィーヌでさえタイミングがあわずマクサンスに会えないところがエモい。

ミュージカル的な感想

明るい歌と落ち着いた歌、恋と失恋が交互にきて、テンポよくて、とにかくセンスが良い。

ちょっと古いけど気分が上がるオーバーチュアに、双子やマクサンスのそれぞれのテーマソング、デルフィーヌとギョームの掛け合いの歌、二人組の歌(よくバレエで使う練習の歌だww)、ブブ父のうた、ソランジュが作った歌とか(ここのアンディが幸せで踊り狂うところ本当すき、私も背景の人になりたい)、女の子脱退のうたとか、双子ママの歌、67分くらいの双子のうたから始まる、みんなが歌い継ぐ宝塚でいうところの中詰めみたいな夢みたいな場面とか、その後に来る現実感あるバラバラ殺人事件の歌とか、お祭りの場面とか、ソランジュとアンディの踊りとかようするに全部好き!

そんなわけでみんな絶対みようね

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