山猫 ふわっと感想

4K版山猫みてきました。

引っ越しの処理が忙しすぎて、ふわっと感想です。

引っ越し先のインテリアを決めるにあたり、白60%黒30%青10%を目指しています〜という話を職場の人に行ったら盛大に気持ち悪がられたのですが、平民の私でさえ生きていると謎のこだわりをもっているのに、それが金と時間を持つ貴族だとなおさらで、だけど生きていくためにそのこだわりを捨てていく事の苦しみ、でも全て捨てても老人は新しい時代に行けず、だから死ぬことで苦しみから解放されるのを待っているのかなと思いました。

一番印象に残っているのが最後のシーンで、公爵がタンクレディに公爵の家族用の車を手配してほしいとお願いするシーンでした。

公爵は冒頭で好色の気もあり、使用人の犬の名前まで覚えているくらい領民にとって偉大な君主で、また、新政府から勧誘がくるくらい聡明な人間なわけで、当然若ければタンクレディと同じく上昇していくなり国軍として義に死ぬ事ができるだけの人物だったけど、7人も子供がいて、しかも家族はどう見てもそれに耐えうる人間ではなさそうだからみんなが路頭に迷わないようにソフトランディングを計らなくては行けなく、また、タンクレディの将来の事を考えて自分の娘でなくアンジェリカと結婚させて、まさに旧時代の人間を新時代に適用させ、守ってきた人だったのだと思います。公爵がいなくなったらそれがタンクレディにのしかかってくるんだよというのが車の手配、安全な場所に運ぶというのに表されていた気がしました。

タンクレディは義父と嫁と馬車に乗っていて、きっと公爵とアンジェリカのワルツなどを思い出しながら、今は老いた公爵でも未来を愛し期待する時があったのだという事を感じ、自分は結婚しちゃったのであとは嫁とやる事やって子供を産んで家族を守り、政治家として立候補して、と夢を実現させるのではなく現実をこなしていく毎日へと変わる事への不安と革命軍の銃殺刑の音から自分の中の理想が死んだ事を感じていたのではないかなと思います。

公爵が歩いて帰ったのは、みんなを未来に送ったけど、公爵の心はまだ過去にあって、山猫のように猛々しかった頃に帰りたい、でももう街猫になって街の暮らしになれてしまったたので帰れない、理想は死んだけど肉体的猶予はあって、だから辛いけど進んでいかなくてはいけないという事だったのかとおもいました。

。。。みたいな事を延々と書けそうな、ありとあらゆるところに比喩や深読みポイントが散りばめられていて、やっぱヴィスコンティすごすぎるなと思いました。

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